1971年3月、Canon F-1と同時に発表されました。型番から見るとCanon FTのマイナーチェンジモデルのように見えますが、フルモデルチェンジに相当します。メーカーのコメントを見るとCanon F-1の基本設計をそのまま持ち込んだように書かれていますが、実際にはむしろF-1の方がCanon FTを元にプロ用システムカメラとして拡張設計を行ったように思われます。
FTbにおいてFTからの変更点は主に以下の通りです。
- F-1のために一新したFDレンズに対応するTTL開放測光を採用。マウントは開放測光用FDマウントに進化し、絞り位置情報レバーや開放F値情報伝達ピンなどが新たに追加されている。
- 測光用メーターとして、従来の絞り込み測光用の定点合わせに加えて、開放測光用に追針式メーターを採用。
- 測光はFTQLと同様のコンデンサーレンズをカットしてハーフミラー化した中央部分測光を採用しているが、ハーフミラーでの反射率を変更 (F-1と同様)し、CdS側には15%、ファインダー側への透過を85%として、ファインダー中央部を明るくした。
- 絞り込みロックレバーにミラーアップモードを設置し、従来のミラーアップ専用レバーを廃止。
- アクセサリーシューに、ストロボ用ダイレクト接点を新設。また133D等専用ストロボと組み合わせてストロボTTL測光連動接点と連動測光モードを新設。
- フィルム巻き戻しクランクにあったバッテリーチェックスイッチに、露出計のON/OFF機能を加えた。FTや PELLIX のときは電源スイッチはボディ背面にあったが、そのスイッチを移動させた形になっている。
その他については従来の Canon FT に搭載されていた機構系をそのまま踏襲しています。 またCanon FT / PELLIXのアクセサリーであった、低照度測光用キヤノン・ブースターなども同じく使用できました。