Canon EF-Mというと最近の検索ではCanonミラーレスカメラであるCanon EOS M用に開発された、Canon EF-Mレンズのことが多く出てきますが、このCanon EF-Mカメラは今から20年以上も前に発売された海外向け専用のカメラでした。
さて本コレクションの別ページで、Canon T-60 というカメラもユニークな立ち位置であるとして紹介しましたが、このEF-Mもそれに決して劣らない立ち位置を持つ不思議なカメラでした。
当時も米国のカメラ店には度々立ち寄ってはいたものの、T60の時とは異なりEF-Mはあまり記憶のない製品でしたので、正直ヒット商品になったかどうかはわかりません。とにかくコレクションとしてはレアな存在であることは間違いありません。さらに国内で入手しようとしても滅多にオークションにも出品されたりしていないようです。日本の方で個人のウエブサイトでEF-Mを取り上げておられる方はいくらか散見されるものの、数は少なくコレクション魂がググッと持ち上がってきました。
この個体はeBayという世界では有名なオークション兼ショッピングサイトです。たまたま某カメラ店によるデッドストック品(という名目で)数台出品されていたのを一台入手したものです。送られてきたEF-Mは確かに傷ひとつなく未使用という状態が正しいような逸品でした。元箱には本体の他に取扱説明書と国際保証書が同梱されていましたが、ショルダーストラップなどのアクセサリーは入っていませんでした。でも電池を入れて試してみると全く問題なく使用でき、その日からコレクションの一員となっています。
さて、このEF-Mというカメラについてスペックがあまり語られていないので、以下に簡単ですが記述します。
写真を見ていただくと分かり易いのですが、もともとマニュアルフォーカスに加えてAEモードもシンプルで分かり易く、その設定も軍艦部の両肩にある二つのダイヤル(シャッター速度と絞り値)で簡単に設定できますから、設定項目の多いEOSカメラに比べるとすぐ操作になれるという特徴があります。
このEF-MはEOS1000Sを元に設計されたという話もありますが、本当なんでしょうか。EOS1000Sを見てみてもどこも似たところがありません。ひょっとするとシャッターなどのメカ部分を流用して大きな設計変更がなされたのかも知れません。ボディーシルエット的にはむしろ初代のEOS620/650系のほうが近いように思えるのですが。
このカメラがどのくらい売れたのかは引き続き調べていきますが、ひょっとすると台湾の工場で製造され輸出されたキヤノンの一眼レフとしては、このEF-Mが最初だったものと思われます。台湾工場の立ち上げ用モデルだったのかな。
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