キヤノン第二世代一眼レフカメラとしてCanon FXが発表された後、プロカメラマンからはCanon FXに装備された外光露出計不要論が噴出します。その本当の理由は不明ですが、既にTTL露出方式の商品化が他社から続々と登場し始めたことと、プロは専用の露出計により光量を測定しながらカメラの露出設定を行っていたことから、レンズを通っていない光を大雑把に測定するFXの露出計では中途半端だったと評価されたことが原因であったと考えられます。
ちょうとCanon FP発売は、東京オリンピックが開催された昭和39年10月のことでした。外光露出計が廃止された他はCanon FXと同じスペックで、プロ用として発売されました。しかし同時にCanon FPを購入したユーザの中で、外部露出計を必要とする場合に備え、キヤノンはFPのアクセサリーシューに取り付けることの出来る露出計、FPメーターを発売しました(写真参照)。シャッターダイヤルやASA感度と連動させるため、FPにはメーターと協調動作させるためのの連動ピンを備えたシャッターダイヤルが備えられています。これにより機能としてはCanon FXと同等になりました。
しかしこの手法も特に新しいことではなく、3年も前の昭和36年、旭光学から発売されたASAHI PENTAX S3用の露出計としてオプション発売されたペンタックス・メーターと構造やシャッターダイヤルとの連動に至るまでFPメーターと非常によく似た仕組みであったほか、翌年(昭和37年)発売されたNikon Fフォトミックでペンタプリズムごと交換する外部測光用ファインダーが提供されていますので、この点ではキヤノンは他社に2~3年ほど遅れていたことになります。