Canon FTbが発売されて2年後の1973年、マイナーチェンジを受けてCanon ニューFTbとなります。なぜこの時期にマイナーチェンジが必要であったのかはわかりません。同時期に発売されたCanon EFと何らかの部品共用などが必要になったのかも知れません。Canon FTbに比べると次の点に相違が見られます。
また、これに合わせてFDレンズのマイナーチェンジも行われました。レンズ鏡胴のフォーカスリングより前方部分について、初期FDレンズではすべて金属無塗装(いや、クロムメッキかな?)であったのが、変更後では黒色塗装となっています。このときはまだFDレンズはスピゴットマウントのままでした。
この New FTb は1976年4月に大ヒットとなった Canon AE-1 が発売されるまで販売され、1964年にCanon FXが発売されて以後12年間続いたFシリーズ標準ボディ・デザインの最終モデルとなりました(F-1は除きます)。
一方FDレンズですが、マイナーチェンジをしたままこのFDレンズはAE-1誕生後も生き続け、A-1 誕生の1978年に大きくデザイン変更を受けます。詳しくはFDレンズの項で述べますが、FDマウントはそのままで従来のスピゴットマウントから一般のバヨネット方式に変更し、ボディをできるだけ小さく設計してAシリーズの小型ボディにバランス出来るように全面的に設計変更されました。レンズのコーティングは原則全てをスーパースペクトラ・コーティング(S.S.C.) としたため、敢えてレンズ名称では表記しなくなりました。これをNew FDレンズと呼んで、スピゴットマウント方式のFDレンズと区別しています。
写真のブラック・ボディが、まさに親父に買ってもらったCanon New FTbです。大切に使用してきたつもりですが、黒色塗装部分の剝げや錆などが見受けられ、さながら歴戦の武器を見るようです。