SONY Headphone MDR-CD3000

バイオセルロースやコラーゲンなど希少材料をふんだんに使った最高級ヘッドフォン

どんな曲を聴いてるのかな
どんな曲を聴いてるのかな
SONY Headphone MDR-CD3000
SONY Headphone MDR-CD3000

SONY Headphone

 

・MDR-CD3000

  (1991年7月発売)

 ¥50,000 (税抜)

 

※この製品の販売終了は2004年です。すでに部品在庫保有期間を過ぎていますが、一部のパーツについてはまだ修理対応をしてくれるようです。SONYのサポートサイトで修理可能かどうかを調べると、限定条件はなく修理可能と表示されます。

マンション住まいの身ですと、悲しいかな、音の再生環境は本当に制約だらけです。そんな中でヘッドフォンの出番が多くなります。もちろん通勤時や休日の外出時などでも電車に乗車中や歩きながらでもヘッドフォンのお世話になることが多いので、ヘッドフォンに多少のお金をかける事には全く躊躇しません。それどころかTPOに応じてヘッドフォンを使い分けています。

でも実際なかなか満足できるヘッドフォンに出会わないのもまた事実です。音質に満足できるかどうかなんてのは当たり前の事ですが、聴いている時に周りの人に迷惑をかけることのないように、また歩きながらの着用では危険のないように必要な外部の音は聞こえないといけません。

さて、このMDR-CD3000というモデルは、今から20年前に発売されたモデルです。ちょうど日本はバブルの絶頂期にあったころですね。このモデルはさらに上位モデルがありました。MDR-R10と言って、1989年2月に発売された機種です。それは恐らく今でも他の追随を許さない歴史に名を残すヘッドフォンだと思うのですが、受注生産で価格は何と当時36万円もした超弩級のヘッドフォンでした。ハンドメイドで左右のハウジングには欅の木を削り出し、振動板にはバイオセルロースを用い、最高級のOFCリッツ線のケーブルを使うなど、とても大量生産メーカーのSONYが造るとは思えない逸品でした。

そのモデルはもちろん憧れ以上の存在でとても購入対象にはなりませんでしたが、その3年後、R10の技術を採用した、背伸びをすれば買えなくもないモデルが発売されたのです。それがこのCD3000でした。当時それでも5万円した価格は、そこまでヘッドフォンにお金をかけるの?という疑問が常につきまといました。でも店頭の試聴コーナーで数多く並んでいるヘッドフォンを聴き比べるたびに、このCD3000だけが段違いの素晴らしい音を奏でてくれるので、欲しい気持ちが募る一方。そしてついに決断して購入したのは確か1998年頃だったと思います。

MDR-CD3000の音は、とても素直で自然な音です。それはスタジオモニターのようなフラットな音とも違います。どちらかと云うとアコースティック系やヴォーカルの音を艶やかに鳴らしてくれる音です。凄いのは音像の定位が段違いに優れていて、オーケストラやアンサンブルの音源の位置や奥行きがはっきりわかる事に尽きます。音像の間の空間がはっきりわかるんです。それだけ濁りがない。そして長時間聴いていても疲れない事です。

欠点と言えば、左右のハウジングが大きく重い事です。ヘッドバンドの圧迫感はありませんが、やはり物理的に大きいのは仕方ないところ。ベッドに横になって聴くなんてずぼらな事は出来ません(笑)。もちろん外に持ち出して聴くようには考えられていません。また、肌に触れるイヤーパッドの部分はコラーゲン配合ということでフィット感は抜群なのですが、経年変化を起こしてべた付き感が出てしまうのも残念なところです。すでにイヤーパッドの交換部品はメーカー在庫がなくなり交換不可となっています。現在互換品として他社からイヤーパッド部品が販売されていますが、純正品ほどのフィット感を得られないということで残念ですね。こうした消耗部品については需要があるのであれば再生産などの手を打っていただきたいものです。

 

このヘッドフォンで感激した音をお聴かせできないのは残念ですが、このモデルを超える製品はおそらく片手で数えられるくらいしかないのではないかとすら思えます。購入して本当によかったと思える一生ものの逸品です。

 

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※この時計の時刻は、閲覧しているパソコンのものであり、必ずしも正確な時間とは限りません
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