SONY Compact Cassette Tape-Corder
・TC-1260 Mic in Matic EX (輸出モデルは TC-95)
(発売は昭和45年)
¥23,800
・TC-1260A Mic in Matic EX II (輸出モデルは TC-95A)
(発売は昭和46年)
¥価格は調査中です
※TC-1260の製造は、TC-1260Aが発売された1971年(昭和46年)に打ち切られています。TC-1260Aは発売2年後の1973年(昭和48年)に生産完了となっています。
昭和45年に発売された、平置きタイプのカセットレコーダーTC-1170 / 1177はわずか1年間の製造で後継機であるTC-1260に置き換えられます。この1260ファミリーは、LLモデルであるTC-1265をいれて3機種になりますが、1974年まで販売されました。
昭和40年代後半、カセットレコーダーは日進月歩の技術革新が進んでいた頃でした。発売後1年経過する頃には競合他社製品も含めて技術的に大きな差が生まれていたのです。ですから1年単位でのモデルチェンジは競合技術に勝ち抜くために必要であったといえます。
では、昭和45年のTC-1170/1177と1年後のTC-1260ではどのような技術的革新があったのでしょうか。
TC-1177が欲しかったけれど買えなかった私は、明くる年のお年玉を握りしめて秋葉原に出かけて、このTC-1260A(後期型)を買って帰ったのです。それが初めてのカセットテープレコーダーでした。
TC-1260Aは確かに普通のカセットレコーダーではありましたが、結構長い間私のデスクサイドの友として活躍を続けてくれました。シンプルな機能だけのレコーダであったためか、メカニズムとして故障しにくかったかもしれません。再生音も意外によくて深夜放送を寝ている間に録音しておくなど、重宝したものです。
ただし、大きな欠点がありました。このテープレコーダはオーディオデッキではありませんから、だれもが使えて失敗のないように、録音レベル設定を自動で行う装置を搭載していました(ソニオマチック)。まだ未熟な技術であったたため、実際に録音すると音の大小により不自然なほど録音レベルが動いてしまったのです。このため音楽はむろんのこと会話を録音するときすら不自然な録音レベルになってしまいました。深夜放送くらいならまあ許せても、FM放送で音楽を録音しようとすると我慢できなくなってきました。そこで、ソニオマチックを解除してフル・マニュアルで録音できるTC-5000に買い換えました。
しかしおもしろいことにその後もTC-1260Aは破棄されることなく、時折簡単な再生用途で使うなど、それなりに重宝していました。
写真の個体はTC-1260Aとしては2代目となります。最初の個体はさすがに酷使された末にぼろぼろになり役目を終えましたので、新品同様であったこの個体を入手したのです。今でも傷一つなく(といったら大げさかも)、再生チェック用途に今でも使用されています。