SONY Portable Cassette Tape-Coder
・TCS-300
(昭和55年発売)
¥39,000
※このモデルは1983年(昭和58年)に生産完了となりました。
プレスマンという機種はもともとSONYの小型テープレコーダーのシリーズのひとつでした。米国NASAの宇宙船アポロに持ち込まれたTC-1010に始まる縦置きの小型レコーダーの流れです。このプレスマンを再生専用のステレオプレーヤに改造したのが、ウォークマンの初代であるTPS-L2であることは有名で、ウオークマンはその成功後新しい道を歩んでいきます。
一方プレスマンは元々の流れのままモノラルカセットレコーダーとして進んでいきますが、ステレオ化の波に対応するようにステレオ録音の出来るモデルチェンジを行い発表されたのがこのTCS-300です。昭和55年という発売時期は、カセットデンスケ末期のモデルである名機TC-D5Mが前の年11月に発売された直後で、アナログ録音機の技術が頂点を極めていた頃と言えます。
このステレオプレスマン発表の頃からSONYは型番を従来のようにTC-xxxxからモノラルカセットレコーダーはTCM-xxxx、ステレオカセットレコーダーはTCS-xxxxというふうに分けるようになりました。後にDATレコーダーが登場するとTCD-xxxxという型番も生まれます。
プレスマンがステレオになって登場したとき、それはカセットデンスケTC-D5Mよりも半額以下というローコストで、より小型軽量サイズ、マイクまでワンポイントステレオ型のコンデンサーマイクが内蔵と使いやすそうだったので、衝動買いしてしまったのが本機です。
確かに良さそうではあったのですが、メタルテープはおろかハイポジテープが使えず、ライン入力もなく、ウォークマン代わりに使うには大きすぎて電池の持ちも良くないので、あまり活躍の機会が与えられませんでした。
ヘッドフォン端子だけ初代ウォークマンのように2端子用意されていた理由がわかりません・・・。彼女と一緒に聴くならウォークマン買うよと思いました。