松本城
信州松本。中仙道の要所でもあるこの街は、周りを高い山で囲まれた盆地にあります。松本駅に降り立って振り返ると、駅舎越しに3000m級の山々がそびえる北アルプス連峰。反対側は美ヶ原などの高原の山々。北アルプスの山々は、時として息を呑むほどに美しく、関東や関西では味わうことの出来ない空気の美味しさに気付きます。
松本の街には多くの人々が住み、でも大都会ほど窮屈ではありません。クルマを少し走らせればなだらかな安曇野の丘陵地帯に広がるのどかな景色と澄み通った小川に心が和みます。空気も澄んでいて、思い切り深呼吸をしたい気持ちになります。春先には冠雪したアルプスの山々がパノラマのように広がり、時間を忘れて眺めていたいといつも思っています。
東京から特急列車で3時間の距離は少し遠いけれど、都会の喧噪を忘れて心休まる気持ちに切り替わるには十分な時間です。撮影者はかねてから松本という街が大好きで、今でも自分の専門の仕事さえそこで出来れば松本に住みたいくらいです。
松本を舞台にしたドラマも数多くありますが、私の印象に強く残っているのはフジテレビ系列で1996年(平成8年)に放映された、「白線流し」(長瀬智也、酒井美紀、京野ことみ、柏原崇、馬淵英里佳、中村竜など)が最も松本の雰囲気、空気を伝えてくれているという印象があります。
松本へは数え切れないほど訪れていますが、訪れるたびに新しい発見とともに気持ちの安らぎを覚えることにほっとします。恵美さんを連れて松本を訪れたのは今回が初めてです。ちょっと時間がなくて撮影場所は松本城公園の中だけに限られてしまったのが残念。今回はモデルのTOSHIEさんはデジタル一眼レフカメラを持って、恵美さんを同じく撮影することになりました。
山嶺の城下町であり自立した地方都市といえば前回訪れた会津若松が浮かびますが、両者の雰囲気は全く異なります。もちろんそれは善し悪しではありません。信州と東北の差と言ってしまえばそれで終わりなのでしょうが、行けばわかる文化の違い。これからもこうした日本の文化をカメラで追い求めてみたいと思いました。
撮影機材: Canon EOS5D Mark II, EF24-105mm F4L IS USM, EF70-200mm F2.8L II IS USM