冬の日、僕らは公園へ出かけました。公園はひっそりとしていて子供たちの遊び声は聞こえず、代わりに子犬たちの鳴き声が周りにこだましていました。冬の空はとても澄んでいて、冷たい空気がどこまでも青々と広がっていました。
恵美さんは寒さでちょっと頬を赤く染めながらも取って置きの笑顔を見せてくれました。今回の撮影は殆ど場所を移動せず、ひとつの公園の中でシーンを変えながらじっくり撮影をしてみました(最後だけ別の場所で撮影していますが、これはどちらかというとおまけです)。
やはり冬と云うことで寒いですから屋外での衣装替えは恵美さんに可哀想です。そこでそういうことは暖かくなってから。ですから背景はいろいろありますが恵美さんは会ってから別れるまでこの姿でした。そのかわりなるべく素のままの恵美さんをご覧いただけるように撮ってみました。こうして改めて写真をみていますと、最近の恵美さんとは違って、再び少女のようなあどけなさが戻っているような気がします。不思議ですね。
撮影機材ですが、情けないことに横着しているわけではないのに使用するレンズがEF24-10mm F4Lに固定化してきています。レンズはいろいろ持っているし、撮影の際も選んで持ってきているのですが、他のレンズだと思ったように撮れていなかったりして結局このレンズに戻ってしまいます。
撮影を続けてきて思うことは、例え同じ女の子をずっと追いかけて撮影していたとしても、まさに一期一会というか二度と同じ写真を撮ることはできないのです。ですから撮影の時には決して「失敗してもいいや」なんて思えません。その時は二度と繰り返されることはないからです。それを考えたとき、恵美さんとの相性というか信頼の置けるこのレンズにどうしても重点を置いてしまうということはあります。
本当はポートレート以外にも撮影ジャンルを広げて挑戦していけばそれぞれのレンズの出番ももっと増えてくるのだとは思いますが、自分にとってはポートレートという一期一会の一瞬を切り取るという楽しさや素晴らしさを知ってしまったし、記念写真や気まぐれ程度にしか他の撮影ジャンルには興味が湧きませんので、そこが難しいところです。
ただこのアルバムを見ていただいておわかりのように、自分の目で感動した景色やシーンなど撮影中にイメージできたときは、迷うことなく恵美さんをはずして撮影しています。そういうチャンスを元にまた撮影の腕を磨き続けたいと思います。
撮影機材:Canon EOS 5D Mark II ; EF24-105mm F4L IS USM