港町横浜の中心部へは東京から電車に揺られて1時間足らずで行くことが出来るのに、その文化はまるで違うことがわかります。東京は単一の文化ではなくすべてが混ざり合った混合の文化で成り立っている都市のようなものですが、横浜は古き良き欧米文化が一本筋の通っている、そんな香りのする街です。誤解を恐れずに言うとすれば、横浜と東京の立ち位置の違いというものは、神戸と大阪のそれと似ているような気がします。
いままで何度となく鎌倉などで撮影をしてきた私達ですが、不思議なことにいままで撮影をしたのは元町や港の見える丘公園スポットだけだったのです。今回は少し駆け足での撮影ではありましたが、埠頭、大桟橋に始まり赤煉瓦倉庫、みなとみらいに至るコースを廻ってみて、想像以上に素敵な景色で撮影が望めることを知り、本当に驚きました。
とても近代的でウッドデッキが素敵な大桟橋には海外渡航船からの乗客が行き交い、デッキに立てば360度のパノラマ風景は、どの角度から撮影しても背景の雰囲気をがらりと変えてくれるほどの多彩な景色を演出してくれます。陸(おか)に上がれば通り沿いに立ち並ぶ商店はみな古き良き洋風の面影をそのまま残しています。赤煉瓦倉庫は今ではもうすっかり観光地化してしまってはいますが、歴史的な保税倉庫の面影を残しつつ、その内部はとても洒落たカフェレストランやショップへと変貌し、東京とも違う新しい文化の発信をしています。
赤煉瓦からみなとみらいへの道筋にはいくつかのミュージアムなどが立ち並ぶ一方で、一歩みなとみらい地区へと入っていけばそこは最先端の都市としての横浜を見ることが出来るのです。
私は確かに仕事上、みなとみらいにあるパシフィコ横浜に代表されるようなイベント会場を過去何度も利用させていただいています。でもその付近にこれだけ多くの文化スポットがあるとは思っても見ませんでした。今回はあまりにも撮影時間が足りず、また冬に差し掛かり北風が大変強くてゆっくり撮ることができませんでした。寒いことよりも、風の影響で髪の乱れがひどくて写真にならないカットを大量生産してしまったのです(苦笑)
それに加えて何といっても観光都市横浜ですから、どの場所にも人・人・人。土日を利用した撮影はかなり厳しかったというのが本音でした。
それでもこれだけ多彩な顔を見せる港町横浜をもっと撮影場所として考えたいと思いました。おそらく春になったらもう一度訪れてみようと思います。
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撮影機材:Canon EOS 5D Mark III / EF24-105mm F4L IS USM