1914年12月20日(大正8年)に開業した現JR東京駅は、ちょうど来年に開業100年を迎えます。その100年を前にして昨年の10月、誰もが親しんでいる赤煉瓦の丸の内駅舎が全面改装され、大正時代の開業当時そのままに復元されて僕たちの前に姿を現しました。
僕らにとっては、生まれたときから存在していた有名な駅舎なので、あまりに馴染みが深く、由緒ある駅なんだなぁとは常々思っていましたが、その姿形は太平洋戦争時に米軍の空襲により外壁を残して消失し屋根も落ちてしまったような状況の後、原形を変えて修復されずっと使われてきたことなど知るよしもありませんでした。
この度それがほぼ建築当時の形に修復されてお目見えしたんですね。
改修オープンが年末のせわしない時期でもあったため年は明けてしまいましたが、恵美さんを連れて早速行ってきました。
あの赤煉瓦の建物はすっかり綺麗になりまるで新築されたようでしたが、お馴染みであった2階建ての建物がオリジナルの3階建てになったというだけで、すっかり別物のように変貌していました。それでも首都東京の玄関であるという威風堂々としたたたずまいは、丸の内・八重洲のビル群がどんどん衣替えして近代建築になる中でもその歴史と存在感をしっかり示してくれていました。
撮影は一月初旬でしたが、冬とはいえ思ったほどには寒くはなく、旅行者に加え新しい東京駅を見るために多くの観光客が訪れていました。特に建て替えられた丸ビルや新丸ビルからはこの東京駅を一望に眺めることができ、夜にはアンバーのイルミネーションに浮かび上がる幻想的な赤煉瓦を眺めながら、ワインを傾ける恋人たちも多く見られました。
関東の北と南を結ぶJR路線の一部が新宿を迂回するようになり、今年発表されたJR東海のリニアモーター超特急が品川を起点とするようになっても、これまで通り東京駅は日本の首都東京を象徴する駅であり続けて欲しいと思いながら、僕はシャッターを切っていました。
今回の撮影にはCanonから発売された中級フルサイズ・デジタル一眼レフカメラのEOS 6Dを初めて使用してみました。まだ5D Mark IIIにも慣れていないのに6Dも使いこなそうとするのは無茶な話ですが、5D Mark IIIとともに右腕になってくれそうな立派な資質を持ったカメラだと思いました。このときはまだカラーバランスなどに慣れていなかったので、いずれ色の調整をして掲載し直すかも知れませんが、どちらかというと従来の5D Mark IIにも似た発色ではないかと思います。楽しみなカメラです。
撮影機材:Canon EOS 6D / EF24-105mm F4L IS USM