夏の浴衣は、なぜか見る人を涼しい気持ちにさせてくれます。本当は夕方とか夜であればもっとその雰囲気を出せるかと思うのですが、それならやっぱりお祭りとか花火とかのイベントと組み合わせたくなるのが撮影側の心情というものです。ならば背景は日本庭園で少しでも暑苦しさを見せないようにしたいと思い、探しました。それが今回の六義園です。
六義園は元禄8年(1695)、柳沢吉保の指示で造園された、江戸の二大庭園の一つです。読みを(りくぎえん)といい、中国の漢詩に由来するそうです。造園に際しては紀州和歌山の名勝地をテーマに、その趣を伝えるべく設計されたそうで、池と緑、池に浮かぶ島や小高い丘(山)などが見事に再現されています。明治時代にかの三菱財閥創立者である岩崎弥太郎に所有が移され、その後戦前ですが東京市に寄贈され、今では都の文化財に指定されています。
撮影は自由でしたが、散策者の迷惑にならないよう本格的な撮影機材の持ち込みはしないことという条件を指示されました。もともとカメラバッグ程度しか用意していないので、その点全く問題はありませんでした。ただ本格的に蒸し暑い夏の日中での撮影でしたから、緑が多い都会のオアシスとはいえモデルの二人にとっての撮影は大変だったと思います。
でも背景としてのこの六義園は浴衣でなくても文句なしのロケーションです。またこの場所で撮影してみたいと思っています。
[TOSHIEさんからメッセージをいただきました]
撮影機材: Canon EOS5D; EF24-70mm F2.8L USM