東京周辺の鉄道施設でレトロを見出すことは意外に難しくはありません。日本国内で鉄道の歴史は140年足らず。これをわずか140年とみるかもう140年も?と思うかは様々ですが、文明開化の象徴であった当時から考えると、あれよあれよという間に進化が進んだ日本文化の象徴でもあります。
比較的よく知られている、JR秋葉原駅のそばにあった、万世橋駅の跡地、JR有楽町-新橋駅間の高架線などに見られる煉瓦造りの構造は明治末期頃に最初の電車が走り始めた頃からのものですし、秋葉原駅全体が今のような立体交差になったのも昭和7年ころにはすでに出来ていたものです。
鉄道雑誌の方から掲載写真のテーマをいただき、撮影に向かったのがこの写真です。路線開業当時から長年にわたり使用され続け、いまでもその名残を残しているホームなどの駅構内建造物ということでした。
昭和レトロということで比較的有名なのがJR鶴見線の国道駅。そのほかにも鶴見線は京浜コンビナートという昭和を代表する工業地帯を走り抜ける都会のローカル線。これは題材になりそうです。それだけではなく雑誌社の方のヒントで意外なところに構造物を見つけました。京浜急行の品川駅です。品川といえば再開発で大きくリニューアルした大都会であり、京浜急行のターミナル駅です。そんなところに未だに開業当時の構造部が生き残っているとは思いませんでした。
今回もできるだけレトロ風な服装をTOSHIEさんにお願いして撮影しました。その一コマが無事に雑誌掲載となっています。
芸文社刊 ノスタルジックトレイン No.3 2009 autumn
[TOSHIEさんからのメッセージです]
撮影機材: Canon EOS5D MarkII; EF24-105mm F4L IS USM